筆者目線で南インド料理をプチ紹介!


箸?スプーン?みんなが生まれながらに持つ世界最高のデバイス、それは指だ。

なんて某ジョブズが言ったかどうかはさておき、今回は筆者目線で大好きな南インド料理を紹介していきます。南インド料理は全般的にココナッツオイルベースでヘルシーで健康的。ヨガやアーユルヴェーダとも関わりがあり、健康や美に気をかける若い女性にも人気なようですね。そんな南インド料理といえばまず最初に紹介せねばらならないのが冒頭画像でも出ているミールスでしょうか

ミールスとは北インド料理でいうターリーと呼ばれる定食の南インド版。基本的な味付けはマサラですが、ミールスはココナッツオイルカレーリーフと呼ばれる独特な香りのある葉っぱで炒めることにより、なんとも言えない南国感がプラスされます。そして決定的な違いはミールスはおかわり自由、食べ放題ということです。
では、筆者がよく行くお店を2つほどご紹介します。



HOTEL AnnapoornA



ケララ州の州都トリヴァンドラムにあるHOTEL AnnapoornAはコヴァラムビーチからバスで30分ほど行った場所にあるピュアベジレストラン。ちなみにHOTELとは南インドではレストランを指して使う場合が多いです。店内にはこんなに店員さん必要?と言いたくなるほどたくさんの店員さんが店内を動き回っています。みんな衛生用の帽子を被っているのが好印象。ここはインドでよくみる露店系の飯屋ではなくちょいとハイソなレストランです。





そしてこちらが筆者オススメのミールスです。バナナの葉がお皿になっていてその場で盛り付けられます。一見オシャレな雰囲気ですが、衛生的にはアレなのでテーブルに用意されているコップに入ったお水でササっと葉っぱの表面を流しておくのをお勧めします。(※インド人のお客さんの見よう見まねですが)





豪快に指を使ってミールスを食べる地元のお客さん。豪快という表現とは裏腹にその指使いは繊細そのもので、日本米とは対照的な粘り気のない茹でただけのパラパラのインド米をしっかり具材とカレーに混ぜ込みうまく固めて口に持っていきます。スゴイ技術だとは思いますがぱっと見はあまり綺麗な絵面ではないですね(笑



お皿の上の具材が減ってくると店員(監視員)の目が光ります。即座にやってきて問答無用で盛り付けていきます。あふれんばかりにホールに立っている店員さんはこのためだったんですね。ここで正直にお腹が一杯だと伝えないと気づけばお皿の上は席に着いた時の振り出しに戻されます。もう食べきれない時はバナナの葉っぱを半分に折っておきましょう。ごちそうさまの合図です。(お皿が葉っぱじゃない普通のお皿の場合は口頭でしっかり伝える必要があります)これだけ食べてお値段は75インドルピー(日本円で約150円)ですからインドって素敵ですよね。ちなみにミールスは基本的に昼食メニューです。南インドでは時間帯によって出されるメニューが限定されるのでいつでも食べたいものが食べられるというわけではありません。この事は結構重要なので覚えておくと良いでしょう。




近所の名もない小屋




さてお次は家から徒歩3分の屋台系の飯屋さん。地元民の方から欧米人観光客、そしてコヴァラムに訪れた一部の日本人の方にも有名な人気のお店です。

多分お店の名前はありませんが、亭主のこのおじさんの顔を見て「あっ!」と思う日本人の方は相当なコヴァラム通でしょう。去年まで徒歩圏内のボロ小屋のような露店で商売をされていたのですが、去年閉めてしまい、別のオーナーがお店を継いでいたのですが、今年からまた新規一転お店をオープンしたのです。ちなみに筆者は毎年コヴァラムにくると朝飯と3時のおやつタイムにチャイを飲みに来ています。ここのオーナーは非常に人柄のいい愛されおじさんです。




そんなおじさんが作る朝食をご紹介。まずはこちらプトゥ。お皿の左側にある白い俵状のものです。米粉と小麦をお湯で混ぜたものを筒状の蒸し器で蒸しあげたものでケララの定番食品です。指でバラして付け合わせのカレー(ここではチャナマサラ)とパパド(パパダム)というパリパリの薄い揚げ煎餅と指で混ぜ合わせて食べます。プトゥ単品では口の中の水分を一気に持っていかれるので好みが分かれますが、よくカレーソースと混ぜて食すのをお勧めします。




こちらはアッパムと呼ばれる同じく米粉ベースの発酵食品で、多少酸味のきいたクレープ的なもの。付け合わせのカレー(ここではエッグマサラ※たまご抜き)に指でちぎって混ぜこんで食べます。こちらもケララの定番。プトゥもアッパムもお値段は、パパドや各種カレー、チャイをつけても30インドルピー前後(日本円で60円ほど)で食べられます。どちらも朝食メニューですのでそれ以外の時間帯は提供されない場合が多いので注意が必要です。





番外編

さて所変わって次にご紹介するのはビリヤニ。簡単に言うとマサラ入りのフライドライス的なものでインド全土でも定番メニューですが、南インドではやはりココナッツオイル+カレーリーフ+揚げパパドの組み合わせが素晴らしいです。インドの高級米バスマティライスを使っているのもグッドです。余談ですが筆者はケララライスと呼ばれる大粒のお米(一般的なミールスで使用されている)はあまり得意ではありません。





最後に紹介するのが筆者の大好物、イディアッパム。こちらも米粉ベースでイディアッパムクッカーと呼ばれる専用調理器具で細い麺状にしたものを蒸したものです。アッパムのような酸味はなく主張しすぎることのない控えめな味と独特な食感は筆者的にどんなカレーにもあいます。画像は筆者がイディアッパムクッカーを購入して自作したもの。是非日本に帰っても食べたい一品です。



ちなみに余談ですが、イディアッパムはスリランカでも食べられます。スリランカでの呼び名は英語でストリングホッパー。ちょっとした露店で朝食として出されます。あっさりとしたダルカレーにココナッツフレークがたっぷりふりかけられたイディアッパムは本当にオススメのB級グルメ。筆者的にはイディアッパムのためだけにスリランカに行きたいレベルです。






駆け足で南インド料理を紹介してきましたが如何だったでしょうか?
もちろん他にも南インドにはたくさんの魅力的なメニューがありますが、共通しているのは指で食べるということです。普段指で食事をすることは日本人にとって馴染みのないことですし、見方によっては野蛮な行為にも見えるかもしれません。しかし食事に視覚、味覚、臭覚に加え指による触覚がプラスされることで、味以外の様々な情報が脳に伝達されることでさらに料理を味わうことができます。また指でこね混ぜた食感は、箸やスプーンなどでは再現が難しく、この食感が南インド料理を美味しく食すポイントだと筆者的に感じます。南インドにお越しの際は是非指を使って食事をしてみて下さい。旅のいい思い出にもなりますよ!

(本文おわり)


南インド料理はヘルシーで健康的!オススメ◎
流水りんこの南印度は美味しいぞ~!
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