発表前なのにインドの路上屋台でApple Watch(的な何か)が売っていたので買ってみた


さすがのインドタイム。

現地時間3月9日午前10時(日本時間3月10日午前2時)、いよいよAppleがApple Watchの発表イベント「Spring Forward」を行いますね!これまでさまざまな情報が飛び交う中、イマイチ何ができるのか公式なアナウンスがなかなか出てこない状況が続いていたので、このイベントを心待ちにしていた方も多いかと思います。

そんな中、現在筆者が生活している南インド・ケララ州の州都トリヴァンドラムのとある路上で発売前のApple Watch(的な何か)が販売されていたのでさっそく取材してきました!

場所はEast FortというバススタンドからすぐにあるCHALAIマーケット。地元民のみなさんが賑わうローカルな商店街です。





ずらりと並ぶ露店の中で時計屋さんを発見。展示されている腕時計を何気なく見ていると…





あ、Apple Watch(的な何か)が!!





こちらにも!SPORTEDITIONといったラインナップではなく明らかに複数のデザインモデルが他の時計と一緒に乱雑に売られています。





大量に売られていた中からいくつか気になったものをピックアップ。オーナーいわく、一番右側の青いモデルが最新バージョンだということ。なるほど、たしかにこの角度からでは見辛いですが、液晶ガラスにはサムスンのスマートウォッチGear Sのような曲面ガラスを使用しています。




「どうだ、これがApple Watchだと言い切る陽気なオーナー。そのあまりの清々しさに胸を打たれる筆者。ということでインド版「Apple Watch」を実際に買ってみました。




全体的なデザイン

実際に購入したモデルはこちら。本体サイズはワンサイズ展開で横35mm、縦50mm、厚さ8mm、重さ24g(バンド部分含む)で本家より小さく薄く(※執筆時点で詳細は未公表)、全体的な雰囲気は本家よりソリッドな印象で液晶部分はなんとベゼルレス仕様。表面は美しいガラスに覆われていますが、強化ガラスかどうかは不明。アップルロゴを液晶のど真ん中にあしらう大胆なデザインのわりにプロダクトデザイン的にはミニマルにまとまっており、普段用途では使い易いデザインではないでしょうか。バンドは着脱不可ですが、サイズ感や軽さは本家より一歩上をいっている印象です。




本体側面

左側面はボタン類は一切なくフラット。




右側面には二つのボタンがあり、このボタンで時刻の調節/表示をします。Apple Watchの最大の特徴ともいえるデジタルクラウンは残念ながら採用されていませんが、時計として必要最小限の機能は実装されているようです。




本体裏面

一見なんともない裏面ですが、このApple Watch(的な何か)の最大の特徴とも言えるかもしれません。本家Apple Watchの本体裏面には各種センサーとともにバッテリー充電用の接続面にもなっていますが、このApple Watch(的な何か)には充電ポートがないのです

「え?じゃあどうやって充電するの?Apple Watchって毎晩充電しないと使えないって話じゃ…

実はこのApple Watch(的な何か)は通常のボタン電池で駆動しているので充電の必要がないのです!一般的に電池寿命は2〜3年ほどと言われているのでこれだけでも本家Apple Watchをはるか上から見下ろせる気持ちになりますよね!しかも交換作業も精密ドライバーさえあれば一般のユーザーでも簡単に内部にアクセスできてしまうのです。最近のAppleの強固で一方的なプロダクトラインからいくとこの柔軟さはうれしいですね。もうこれからの時代、電池切れに頭を悩ませることはないのです。思う存分普通の腕時計としてガンガン使っていきましょう




実際にはめてみた

薄くソリッドなデザインは素直に美しいです。そして世界中どこにつけていっても

「あ、Apple(の)Watchだ…

と言われるわかりやすさは本家を凌駕します。
ところで、外観はさておき時計としてどうなの?と思われる方も多いかもしれません。確かにここまで液晶にはアップルのロゴマークしかありませんね。ではどうやって時刻を確認するかといえば、




本体右側に二つのあるボタンの上部をプッシュするとアップルマーク型の液晶部分に時刻が浮かび上がる仕組みです。





ただし残念ながら視認性は極めて悪く、日中屋外での時刻確認は素直に諦めてスマホを取り出した方が賢明です。また実際に使ってみて最大の弱点だと感じたのが、ボタンを押している間しか時刻を表示しないことです。さっと時間を見たいときに手首を見ても、そこにはAppleのロゴマークがあるだけです。時刻表示するにはもう片方の手を使わない限り現在時刻を確認することはできません。つまり片手がふさがっていると時間がわからないということです。これは非常にストレスです。よく考えたら時計としてどうなんだろう?と考えずにはいられません。



実はもうひとつ違うモデルも買ってみた

上記のApple Watch(的な何か)とは別に、実はもう一つ買ってみました。
発色の良いオレンジカラーがまぶしいカジュアルでポップなデザイン。本体デザイン自体がAppleのロゴマークになっているのもポイント。液晶下にはTOUCH WATCHと表記されています開封の儀といきたいところでしたが、先ほど紹介したモデル共々チープな紙袋に雑に入れられただけなので敢え無く断念。説明書すら入っていないところはApple然としています。





こちらのTOUCH WATCHにはなんと本体にボタン類は一切ありません。まるで何時ぞやのiPod Shuffleを彷彿させますが、画面をタッチすることで時刻を表示させることができます。とはいえ、先ほどのモデル同様タッチしている間しか表示されない(※正確にはタッチしてから5秒間ほど表示)ので時計としては非常に使いづらいです。ただ側面ボタンを押すのでなく画面をタッチすればいいので片手がふさがっていてもアゴで押せばなんとか時刻を確認することができるのでその点は評価できます。

ただこのTOUCH WATCH、前述の通りボタン類が一切ないので時刻の設定方法がまったくわかりません。画面を連打したり押す場所を微妙に変えたりすると日時や時刻を設定できそうな表示に変わるのですが、説明書もないので未だに年月日などの設定はできていません。かろうじて現在時刻を合わせられただけです。無駄に指二本でタップしたりスワイプしたりしてみましたがやはり無意味でした。





Appleによる正式な発表前にすでに路上で売られていたApple Watch(的な何か)のレビューは如何でしたか?私たちの生活を一変するかもしれない様々な機能とサービス連携が期待されているApple Watch。インドの雑踏で見つけたこの二つの時計ではApple Payも健康管理もiOSデバイスとの連携もなにもできないただの使いづらい腕時計でしたが、その見た目のインパクトとこの世紀の発表イベント直前という絶妙なタイミングで(筆者的に)おいしいブログネタになったことが最大の収穫でした。

ちなみに今回ご紹介した二つのApple Watch(的な何か)の価格は二つとも200インドルピー(日本円で約400円!)でした。ネタとしてはいい買い物。これをつけてしばらく旅をしようと思っています。

ということで明後日3月9日午前10時(日本時間3月10日午前2時)のスペシャルイベント「Spring Forward」で本家のApple Watchの正式発表を楽しみに待ちましょう!
なお、公式サイトではライブストリーミング配信が行われる模様です。

(本文おわり)


Apple Watchとはまったく関係ないですが、こういうメカメカした時計は個人的にそそられます。