南タイの素朴な準リゾート地、ジャム島へ遊びに行ってみた


トゥッ(ク) タン、サワディーカップ!(みなさんこんにちは!)

南インドから空路でマレーシア、そこから陸路でタイ、ラオス、中国、そして再び空路で日本を目指すルートを爆進中の筆者ですが、リアルタイムではタイ北部チェンマイまでやってきました。今回は、タイ南部で立ち寄ったジャム島がとても気持ちのよい場所だったので紹介してみようと思います。



素朴でマイノリティーな準リゾート地


タイ好きな方でもジャム島の存在を知っている方は意外と少ないかもしれません。クラビから船で小一時間ほどの距離にあるこの島は、某大手ガイドブックにも載っていない未だ素朴さの残る準リゾート地。本土から割と近い距離ということもあってか海の透明度は近くに見えるピピ島ほど高くはないようですが、場所によっては生きたサンゴ礁もあり、カラフルなお魚さん達と戯れることもできます。しかしジャム島最大の魅力はなんといっても準リゾートという素朴さ。近隣の有名な観光地に比べ開拓の進んでいないここジャム島では、島で暮らす住人の素朴な生活感や美しい自然環境を心ゆくまで堪能できます。




お世話になった宿


今回3泊4日というタイトなスケジュールでしたが、ハートウォーミングなおもてなしでジャム島を満喫させてもらったJUNGLE HILL BEACH BUNGALOW(ジャングル・ヒルビーチバンガロー)





半プライベートビーチから階段を上っていくと共有スペース兼レストランがあり、




美しい海と地平線を眺めながら食事や談笑ができます。決して速くはありませんが、無料でWiFiも利用できます。





ここからさらに階段を上っていくと、バンガローが見えてきます。





バンガローは高床式で風通しも良く、バルコニーにはハンモックが標準装備されています。





部屋の中はこんな感じ。必要最小限で極めてシンプルな造りですが、木のぬくもりと外から聞こえる波音でとてもリラックスできます。ハンモックに揺られながら地平線に広がる海をぼーっと眺めているだけで日々のストレスや悩み事が些細なものに感じられるはずです。



ここJUNGLE HILL BEACH BUNGALOW実は2年ほど前に筆者の相方さんが訪れたことがあり、ここで働いている日本人スタッフノブさんという方にお世話になったということから、今回も立ち寄ってみようという流れでやってきたのでした。なんとこのノブさん、数年前に旅中たまたま立ち寄ったジャム島のこの宿で、経営されているご家族の中の娘さんと結ばれ、現在ではお子さんも生まれてすっかりジャム島の住人となったという破天荒なお方。



そんなノブさんにタイならではの原付サイドカーでジャム島を案内していただきました。




島の様子


ビーチ沿いにならぶバンガロー群から一歩内陸に入ると素朴な地元の方々の生活を垣間見ることができます。




村の八百屋さん。ガソリンも売っています。




ノブさんによると、ここジャム島に暮らす人々は村ごとにほとんどが血で繋がっているそうです。つまり村全体が一族のようなもの。村で会う人々や、そこらじゅうの家々を指差しながら、ここは嫁のお兄さんの親戚の家、あの人も親戚だよ、と次々に親族を紹介してくれるノブさん。島の一族の中にある日突然ポーンと外国人が入っていくって結構大変な事だと思いますが、あっけらかんとしているノブさんを見ているとそんな人生もアリなんだなといろいろ考えさせられました。




普通に原付を乗り回す島の子供。タイのバイク免許制度はユルそうですね。



ちょっとした屋台を発見。朝食も済ませていなかったので寄ってみることに。



揚げパンやココナッツフレークの乗ったカオニャオ(もち米)などが売っています。お客さんのほとんどが現地の方々。




売り場の裏にはキッチンがあり、おばちゃん達が何やら作っていたので、よくわからないまま注文してみました。





そしてでてきたのがこれ。お米でできた麺が入ったスープ、カノムチン。タイ南部では定番の朝ごはんのようです。テーブルには生野菜が盛られたお皿があり、セルフサービスで入れ放題。お値段は20THB(約70円) スープと米麺に生野菜というシンプルな組み合わせですが、スープはココナッツカレー風味でピリッと辛い割にあっさりしていて、確かに朝ごはんにピッタリでした。アロイ!(美味しい)




朝食を済ませた後、ノブさんに島北部にあるフィッシャーマンズヴィレッジ(漁村)を案内して頂きました。




停泊している船の中にはなんとソーラーパネルを搭載したモデルが!



採れたてのカニや貝、写真外ではお魚もたくさん。




道端に停めてあった原付サイドカーの荷台には釣り上げたままのエイや魚が常温放置。日本では考えられない光景(白目




日向ではかなり気温が上がるので陰で涼む漁村の人々。南国ならではのゆったりとした時間を過ごしているようです。




強い日差しの下、ファインダーレスなNEX-5R+オールドレンズの組み合わせで、ピンや露出調整に手間取っている間ずっと同じポーズをとり続けてくれた優しい村の子供たち。将来立派な漁師になりそうな辛抱強さ力強さを感じました。





海釣りに行ってきた


さて漁師といえば、別日に宿のご家族に海釣りツアーに連れて行って頂きました。




海釣りと聞いていたので、大物狙いのいかつい釣竿を想像していたのですが、渡された竿はなんと釣り糸が巻かれたペットボトル





釣り糸先端に3つほどある釣り針それぞれに船上でカットしたイカを引っ掛け海底まで落とし、そこからゆっくり動かしながら魚を待ち、ヒットしたら一気に引き上げるというなんとも古典的な釣り方。僕らだけではなくおばあちゃんも、




従業員の方も同じ方法で鼻歌交じりに釣り始めます。



こんな方法で本当に釣れるのかと思いきや、投げ込むや否やまさかの入れ食い状態。ペットボトルは釣り糸収納用途でしかないので、実質釣り糸だけでガンガン釣り上げていきます。




釣れる度に奇声混じりのハシャギっぷりをみせるおばあちゃんを横目に全く釣れない筆者と相方さん。なかなかコツを掴めずにいましたが、開始30分経たないうちに一匹目をゲット。ピンボケしてしまっていますが、綺麗なピンク色の小魚です。このお魚を皮切りにガンガン釣り上げていき、




最終的には筆者も相方さんもそれぞれ20匹近く釣り上げました。なんだ意外と楽勝じゃんと、鼻息を荒げていた筆者でしたが後から聞いた話、釣れる釣れないは魚の集まるポイントを探せるかどうか、つまり船頭さんの経験と勘次第ということでした。…トホホ




ということでサンセットとともに海釣りツアー終了。一路宿へと戻ります。



そしてその日のディナーは自分達で釣った魚を調理して頂きました。やはり釣れたて新鮮のお魚は本当に美味しかったですし、何より命を頂くということに改めて向き合えたことがよい経験となりました。




翌昼、宿から降りたビーチの端で昨日一緒に海釣りに行ったオーナーご家族の娘さんの一人が遠目ではおままごとのようなことをしていたので近寄ってみると、




なんと昨日釣ったお魚でひとりBBQをしていました。まだ10歳にも満たない女の子が誰もいない浜辺の片隅で一人で火を起こし、魚を焼いている姿は筆者の琴線に触れました。こういう何気ない行為を見ていると、ついつい日本の子育ての過保護さと比較してしまいますが、彼女がしている行為は人が生きていくという本質的な点で、とても純粋で自然なことなんだろうなとボンヤリ考えさせられました。ちなみにこの後、焼きあがった魚はご家族と一緒に仲睦まじく食べていました。





ここではごく当たり前な暮らしぶりでも旅行者である私たちにはハッとさせられる瞬間であったり、またそんな場面に数多く出会えるのがジャム島の魅力。それも開発がまだ進んでいない準リゾート地であるだからこそ味わえる醍醐味なのかもしれません。ただこの島の主収入だった天然ゴムの価格が暴落してからは暮らしを支える重要なファクターが観光業にシフトしてきているのもまた事実。こうやってブログで紹介してたくさんの方に足を運んでもらいたいと思いつつも、このままの素朴なジャム島であってほしいという複雑な想いもありますが、やはりこの記事を読んで興味が湧いた方観光地化しすぎたリゾート地はちょっと…という方には是非遊びに行ってもらいたいですね。そんな方々をJUNGLE HILL BEACH BUNGALOWのスタッフのみなさんが温かい笑顔でお待ちしていますよ!





JUNGLE HILL BEACH BUNGALOWの料金や詳しい情報は本文最後のリンクから参照できます。ご興味のある方は是非一度遊びに行ってみてください。今回は3泊4日のスケジュールでしたが、できれば1週間以上の滞在をお勧めします。特に欧米旅行者のリピーターが多いようで、毎年数ヶ月単位の長期滞在をしていくケースも珍しくないそうです。物価は島ということもあって本土より割高、WiFi事情も厳しいところがありますが、それに勝る素晴らしい経験を得られることは間違い無いでしょう。

南タイの素朴な準リゾート地、ジャム島。筆者もいつかまた改めて訪れたいと思います。その時はゆとりあるスケジュールでもっと※サバーイ・サバーイに!

(※サバーイ=タイ語で「気持ち良い・心地よいの意味。タイ人特有の自分にとっての心地よさを求める気持ち)


(本文おわり)


次行く時は、自前でこの2点セットは持っていきたい!