そこにあるエネルギーを有効活用。太陽熱温水器を作ってみた


もらえるモノは何でも有効活用。我家のもらいモノ生活は大自然の恵みも拝借しちゃいます。今回は最も身近にあるエネルギー、太陽熱を利用してプロパンガスの使用量をなるべく減らすエコフレンドリーな装置、太陽熱温水器を作ってみました。


制作開始


まずは2ℓペットボトルを黒のラッカースプレーで塗っていきます。この時、塗る前に飲み口はセロテープでマスキングしておきます。黒は太陽光を吸収しますが、より吸収力を高めるにはつや消しタイプがいいとのこと。またかなりの高温になるため、お茶などの耐熱性(90℃くらいまで)のあるペットボトルじゃないと変形してしまうのでそれ以外のペットボトルは使用しないほうがよいそうです。塗装後よく乾かしてから飲み口のセロテープを剥がして完成。ちなみに今回使用したペットボトルは、今年の夏、実家に帰省した際に頂いてきたモノ。





次に温水器本体を作っていきます。こちらも実家から頂いてきた発泡スチロール容器。残念ながら2ℓペットボトル3本がギリギリ入らない大きさだったので、飛び出してしまう線端部分はカット。





次に筆者の作業ブースを制作した際に余った合板とオーナーの倉庫に転がっていたベニヤ板 で発泡スチロール容器を入れる木箱を作成。相方さんの作業机を作った際に使用した屋外用の木部保護塗料で塗装しました。




次に先程の発泡スチロール容器を木箱に入れ、中の容器をアルミホイルで覆いますアルミホイルは入ってきた太陽光を乱反射させてペットボトルをより温めてくれるそうです。





次に木箱にフタを取り付けていきます。というのもそのままペットボトルを太陽に当てても風が当たる事で熱が奪われてしまうのです。フタに使用する素材はなるべく太陽光をロス無く取り入れるために透明の塩ビ板を採用。透明度はアクリル板のほうが上ですが耐熱性は塩ビ板に軍配が上がります。ちなみにこの塩ビ版も実家から拝借。DIY好きなおとんが何か作った際に余った残骸のようです。使えそうなものがあれば、なんでももらってくる筆者。(キリッ

接合金具や取手はお得意の100円ショップ、ネジ類はホームセンターで揃えました。古色仕上げのアンティーク感がなかなかイイ感じ。切ったり穴を空けたりネジを締めたり至福の工作タイムに我を忘れて没頭します。そして…





フタの取り付け完了。木・塩ビ版アンティーク調金具にアルミを纏った発泡スチロール…。なんともカオスなメカメカしさが自分的にツボ。





お次は背面。角度調整可能なスタンドを取り付けていきます。





収納時に足がパタ付かないよう、滑り止め用パーツを余った木っ端で実装。





これでほぼ完成しましたが、最後にこの装置に命を吹き込むべく本体に名前を入れてあげることにしました。名前はそのまんまですが太陽熱温水器。イラレで適当なフォントから作ったものを反転して、コンビニのコピー機で出力




数ある候補の中から今回は昭和臭漂う硬派なこのフォントを選んでみました。




このままでは文字が反転したままなので裏返してインク面を転写する木箱に接するように配置し、100円ショップで売っているネイル除光液(1)をしみ込ませた布で紙の上を破れないよう注意しながらこすりつけます(2) 除光液がペーパーと下地の木に充分しみ込んでから5分ほど待ち(3)ペーパーを剥がすとインクが転写されます。(4) ロゴを作る際に反転したのはこのためです。ちなみにコンビニのコピー機で印刷したのは、家庭用のインクジェットプリンタのインクではうまく転写されないためです。




これで本体は完成。最後に本体を載せるのにちょうどよい台をご近所の方から頂いていたので使う事に。なんでもこの台は仏像の向きを回転させるためのものだとか。たしかに裏側には立派な回転機構が付いてます。世の中にはこんなものがあるのかと思いつつ、何かに使えるかも と一応もらっておいたのですが、まさに今回の用途にピッタリ。太陽はどんどん移動しますからね。あ、移動しているのは地球のほうか。…いやどちらも動いて…ブツブツ。





てことで完成&お披露目!筆者的に言わせてもらいますと…キテレツ的にカッコいい!! 俗にいう単なるペットボトル温水器ですが、しばらく眺めているとなにか大発明したようなイノヴェーティブな錯覚に陥りそうになります。




テストしてみた


さて、実際に使えなくてはただのガラクタと同じです。実際に使ってみましょう。まずペットボトルに水を入れて温度チェック。22℃スタートです。





いざペットボトルを装填してテスト開始!





開始そうそういい日差し!期待に胸が膨らみます。





温水器内のアルミホイルも光を反射してぐんぐん温度が上がっていっているようです。…しかし残念ながらこの後天気は急変。どんよりとした曇空。そしてテスト開始から3時間経過し時刻はお昼時。この日の昼食はパスタだったので初回テストはここで終了。





さて気になる温度は…55℃!3時間で33℃上昇したことになります!お風呂の適温は38〜40℃と言われているのでこれは完全に熱湯コマーシャルレベル。太陽のチカラ、スゴい!





パスタを茹でる大量のお湯も水から沸かすよりグンと短時間に。これはエコ!





太陽熱で作ったお湯で作ったパスタの味は格別! ヒャッハー!





余ったお湯はポットに入れて保温。コーヒーを入れたり晩ご飯の調理に使ったり用途いろいろ。昼食用にお湯を使い切っても天気さえ良ければ午後から夕方に掛けてもう一回分作れます。まさにお湯の二毛作。夕方出来上がったお湯6ℓ分で相方さんはシャワーを浴びる事もあります。…おっと、シャワーではないです、正確にはペットボトルのお湯をかぶっているそうです。でも太陽で温めたお湯は湯冷めしにくく、芯まであたたまるんだとか。太陽エネルギーも相方さんもスゴい…。でもシャワー用途で使うのであれば今後改良の余地ありですね。





いかがでしたでしょうか?常に身近にある太陽。そのエネルギーもちょっとした工夫で日々の生活に取り入れる事ができるんですね。今回のテストでは55℃の温水ができましたが天候に恵まれると最高で73℃を記録しました。太陽偉大。もちろん晴れた日ばかりが続く訳ではないですが、この太陽熱温水器を活用するようになってから太陽の有り難みが以前よりも増して感じるようになりました。今後もなるべく自然、地球、 そして宇宙からのプレゼントを上手に利用し、自然循環型の暮らしをしていけるよう心がけていきたいと思います!


(本文おわり)