倉庫で眠っていた昭和レトロな古棚を食器棚としてリメイクしてみた


好きです、昭和臭。

前回の脱衣所メルヘン収納棚からのつながり、今回はキッチンに昭和レトロな食器棚を作っていきます。

食器は洗った後水切りかごに入れっぱなし、それ以外はシンク下に無理矢理突っ込む。移住してから食事の度に不便を感じていた食器の置き場所。理想の食器棚を夢見て今回も大家さんの倉庫を突撃してきました。



“お宝”発見

倉庫内をグルグル探検していると、昭和臭漂う年季の入った古棚を発見。
引き出しも背も底板もないほとんど骨組み、しかも部分的には木材が腐っているという状態としてはかなり厳しい一品でしたが、ガラス引き戸は無傷で可動も問題なし。全体的な佇まいやサイズ感も気に入ったので、破損箇所を修理してこの昭和レトロな古棚を現代の世に食器棚として復元してみることにしました。





制作開始

まず状態がひどかった側面下部のベニヤをぶち抜き、ガラス引き戸内の仕切板も一旦撤去。一部腐っているとは言え、なかなかいい木材が使われているこの棚ですが、なぜか天板は安っぽいベニヤだったのでこちらも解体し、引き戸と側面上部のベニヤ板を残して骨組みだけの状態にしてみましたまた、日の当たらないジメジメした倉庫の中で数年間放置されていたため床接地面周辺、特に壁に接していた背面側のダメージが大きかったので下写真の切取り線から下を丸ノコでカットしていきます。






水平垂直をキープして、ガタつきのない感じにうまくカットできました。




次に底板部分の骨組みを修理していきます。背面側の部品が朽ちて折れてしまっています。また両柱との結合部分は釘やビスではなく木組みされていて、ジャストサイズでがっちりはまっている当時の職人の技術力をみていると、筆者の中でメラメラと挑戦の二文字が湧いてきました!





ということで木組みパーツ制作に挑戦。まず倉庫で見つけた適当な板材をこの骨組みパーツと同じ太さ/長さに丸ノコでカット。次に先端部分の形状を直尺で正確に測り、鉛筆で下線を引き、





ノミで削る!





きちんとした使い方など分からぬまま見よう見まねで、ひたすら削る!




悪戦苦闘の末、ようやく先端部分完成。正確に測って削ったはずなのにやっぱりというべきか当然というべきか、職人の作ったオリジナルモノとは似て非なるものに…。並べてみるとけっこう恥ずかしい(汗 そもそもほぼ初めてノミを触ったと同じくらいのビギナーが大工職人と張り合おうとすること自体おこがましいですな!





とはいえ、実際に本体に実装してみるとちゃんと機能してくれました!もちろん結合部分は職人パーツのように“遊びのないジャストフィットな締まり具合とはいかないものの、上からの荷重にちゃんと耐えられそうなモノができて、すでにこの時点で感極まる筆者





新たに蘇った背面の骨組みに中央前後を渡すパーツを釘留めし、





ベニヤ板を底面のサイズに合わせてカットして取り付けます。ちなみに底面全体を一枚で取れるベニヤ板が手元になかったので、止むを得ず二枚に分けました。





裏面には補強として新たに2本角材を渡し、中央背面に脚をもう一本付け加えました。





最初の段階で朽ちてボロボロになっていてぶち抜いてあった側面下部に新たなベニヤ板をサイズ通りカットして溝に沿って差し込み、トンカチでちょっとずつ入れ込んでいきます。





これで無事側面下部が復元されました。が、よく見ると上部のベニヤ板と木目の方向が違ってました。この棚を作った職人さんがもし生きてたらたぶん怒られるレベル。…次から気をつけます。





背面も敷地に落ちていたベニヤ板をサイズ通りにカットして釘打ちしていきます。こちらも一枚で全体を取れなかったので2枚構成で。雨ざらしにしてあったベニヤだったので既に結構痛んでますが、まぁ背面だし…、と今度はジョブズに激怒されるレベルの意識の低さ





その代わり天板はいいの使っていきます。当時何に使われていたのか不明ですが、木目が美しく、どっしりと重量感のある厚さ2cm強の板が見つかったので早速カットしていきます。裏面には謎の“下駄を履いていたのでこちらも丸ノコで下図のようにカット。






出来上がった天板をサンダー掛けしてから棚の上に載せ、全体に蜜蝋ワックスを塗りこんで完成! 天板裏の“下駄部分をちょうど棚上部の骨組みにハマるようにカットしたので載せるだけでズレない上に重量もあるのでびくともしません。持ち上げると簡単に外れるので内部へのアクセスも容易で、メンテも掃除もし易い仕組みとなっています。





リアビュー。新規で取り付けた背面のベニヤのレトロ感♪(棒読み





実は今回、この棚以外にもう一つ棚を作っていました。下画像は拾い物のイメージ画像ですが、昭和時代に教室で使われていたと思われる小学校の勉強机が倉庫から出てきたのでこちらも食器棚としてリメイクしてみました。





それがこちら。残念ながら制作途中の写真を撮り忘れてしまい完成写真しかないのですが、先に紹介した棚の丸ノコでカットした下部分で使える箇所や倉庫で見つけた木材を利用してリメイクしました。具体的には椅子に座って足が入る天板下に2段の底板を取り付け、





図工の時間か何かで彫刻刀で削られまくってボロボロになっていた天板を丸ごと交換。天板のサイズも4本の柱の角に合わせ、机の天板の作りのようにはみ出さないようにカットしました。





教科書やお道具箱などが入る天板下のスペースには、コンパネの端材と100円ショップで購入した取っ手を使い引き出しを作りました。ちなみに引き出し前面のみオリジナルの天板の状態のよかった部分を流用しています。緑色の絵の具の汚れがポイント!





ということで現代によみがえった昭和生まれのリメイク食器棚制作費は取っ手代の108円のみで制作期間二つ合わせて約1週間。制作も大変でしたが、倉庫から引っ張り出してきた時にカビだらけで臭いが半端なく、食器棚として使うにはあまりに不衛生な状態だったので、EM菌をガンガン振りまき連日天日干しました。とはいえ、今年の夏は天気にあまり恵まれず、晴れ間を狙って毎回外に運び出していたのが一番苦労した点だったかもしれません。いずれにせよ今回はなんかだかスゴくがんばった感が自分的にヒシヒシ。



そして現在こんな感じでキッチンで使われております。ちなみに画像に写っている食器類を含むほぼ全てのプロダクトはいろいろな方々からの頂き物(※食材を除く)です。感謝






2回に渡ってお送りしてきた棚作りシリーズ如何だったでしょうか?食器棚が出来てから毎日の暮らしにやっと生活感がでてきました。やっぱりは大事ですね。昭和の大工職人様とただのDIY好きド素人の筆者との勝手なコラボ食器棚。大切に使っていこうと思います。

さて次回は以前紹介した野鳥カメラマンなおとんから貰ったカメラレンズを含め、増えてきたレンズ類を収納する自作ボックスをご紹介します。お楽しみに!


(本文おわり)


こういう本を読んで、もっと勉強したほうがいいのかな〜

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